日本は世界有数の地震大国です。気象庁によると、震度1以上の地震は年間2,000回以上観測されており、震度5弱以上の揺れも毎年のように発生しています。気象庁の震度階級では震度5強以上になると固定していない家具の多くが倒れ、補強されていないブロック塀が崩れるとされています。震度6弱以上では立っていることが困難になり、耐震性の低い建物は倒壊の危険があります。緊急地震速報が届いてから強い揺れが到達するまでの猶予は数秒〜数十秒しかありません。この短い時間に適切な初動をとれるかどうかが、命を左右します。
災害救助の現場では「72時間の壁」という言葉が使われます。これは、建物の倒壊などで閉じ込められた場合、72時間(3日間)を過ぎると生存率が急激に低下するという経験則です。裏を返せば、発災後72時間は救助隊が人命救助に全力を注ぐ時間帯であり、被災者は自助・共助で乗り切る必要があります。内閣府防災の「大規模地震時の行動指針」でも、発生直後の適切な行動が命を守る最大のポイントとされています。
このチェックリストでは、地震発生直後から72時間までにやるべきことを「在宅時」「外出先」「職場」の3つの状況別にまとめています。消防庁の「地震防災マニュアル」に基づき、身の安全確保→安否確認→ライフライン点検→避難判断→生活確保の順で、優先度の高い行動から整理しています。
揺れが収まった後の数分〜数時間の判断と行動が、その後の安全を大きく左右します。事前に家族でこのリストを共有し、集合場所・連絡手段・役割分担を決めておくことが大切です。List Withでリストを作成して家族と共有し、「もしもの時」に備えましょう。
状況を選択して行動を確認
揺れの最中から直後にかけて、頭部保護・出口確保・危険回避など命を守るための最優先行動
頭を守り、安全な場所に身を隠す
1
丈夫なテーブルの下に入る。近くになければ座布団・カバンで頭を保護
揺れている間は動かない。「まず低く、頭を守り、動かない」が基本(消防庁推奨)
火の始末を確認する
1
揺れが収まったらコンロ・ストーブの火を消す
無理に消しに行かない。揺れが収まってから確認を
出口を確保する(ドア・窓を開ける)
1
建物の変形でドアが開かなくなる前に避難経路を確保
室内で靴・スリッパを履く
1
割れたガラスや落下物での怪我を防止
家族や同僚の安否を確認し、災害用伝言ダイヤルやラジオ等で正確な情報を収集する行動
家族の安否を確認する
1
災害用伝言ダイヤル(171)・災害用伝言板(web171)・SNSを活用
電話回線は混雑するため、通話よりメッセージ・SNSが繋がりやすい
家族との集合場所を確認する
1
事前に決めた一時集合場所・広域避難場所を確認
自治体が指定する「指定緊急避難場所」を事前に確認しておく
正確な情報を収集する
1
ラジオ・テレビ・自治体の防災アプリで正確な情報を入手
SNSのデマに注意。公式情報源(気象庁・自治体)を優先
津波警報・注意報を確認する
1
沿岸部では大津波警報・津波警報・津波注意報を確認し避難判断
気象庁が地震発生後約3分で津波警報を発表
近隣の安否を確認する
1
特に高齢者・障がい者・外国人の方に声をかける
ガス・電気・水道の安全確認と通電火災防止。建物の損傷チェックと二次災害の防止
ガスの元栓を閉める
1
ガス漏れによる火災・爆発を防止
ガスの臭いがする場合は窓を開けて換気し、火気厳禁。すぐに屋外へ
ブレーカーを確認する
1
通電火災防止のため、避難する場合はブレーカーを落とす
感震ブレーカーがあれば自動で遮断される
水道の確認・水の確保
1
断水前にできるだけ水を確保。浴槽・鍋・ペットボトルに溜める
集合住宅では排水管の安全確認まで水を流さないこと
建物の損傷を確認する
1
壁のひび割れ・傾き・ドアの変形がないか確認
大きな損傷がある場合はすぐに建物から避難
在宅避難か避難所へ移動するかを判断し、安全な経路で避難するための行動指針
避難の要否を判断する
1
自宅が安全なら在宅避難。倒壊・火災・津波の危険があれば避難
自治体の避難指示(警戒レベル4)が出たら全員避難
非常持出袋を持って避難する
1
事前に準備した非常持出袋を持ち出す
両手が使えるリュックサックが基本
安全な避難経路を選ぶ
1
狭い路地・ブロック塀沿い・川沿いを避ける
自治体のハザードマップで事前に避難経路を確認しておく
徒歩で避難する
1
車での避難は渋滞で避難の妨げに。原則徒歩で避難
消防庁は原則徒歩での避難を推奨
救援物資到着までの72時間を自力で乗り切るための備蓄確認・被害記録・支援情報の収集
水と食料の備蓄を確認する
1
救援物資が届くまで最低72時間(3日間)は自助が基本
余震に備え安全な場所を確保する
1
本震後24時間は特に余震に警戒。倒れそうな家具から離れる
被害状況を記録する(写真撮影)
1
罹災証明書の申請時に必要。建物・家財の被害を写真で記録
修理・片付けの前に必ず撮影しておく
支援情報を確認する
1
給水拠点・炊き出し・物資配布の情報を自治体HPやSNSで確認
地震時の場所(在宅・外出先・職場)を選びます
状況に応じた行動リストを上から順に確認します
事前に家族でリストを共有し、役割分担を決めましょう
連絡先や集合場所を年に1回は家族で確認しましょう
消防庁の推奨する基本行動は「まず低く、頭を守り、動かない(Drop, Cover, Hold on)」です。丈夫なテーブルの下に入り、揺れが完全に収まるまで動かないでください。無理に火を消しに行く必要はありません。揺れが収まってから火の始末と出口確保を行いましょう。
NTTの災害用伝言ダイヤル「171」、災害用伝言板「web171」が利用できます。携帯各社の災害用伝言板も活用しましょう。電話回線は非常に混み合うため、通話よりもSNS・メッセージアプリ・メールが繋がりやすいです。毎月1日・15日に体験利用ができるので、家族で練習しておくことをおすすめします。
自治体から避難指示(警戒レベル4)が出たら全員避難してください。自宅の倒壊・火災・津波・土砂災害の危険がある場合も避難が必要です。自宅が安全で、ライフラインの備蓄がある場合は在宅避難が推奨されます。お住まいの地域のハザードマップで事前にリスクを確認しておきましょう。
停電が復旧した際に、損傷した配線やガス漏れが原因で発生する火災です。避難する際はブレーカーを落としてから家を出てください。感震ブレーカー(震度5強以上で自動遮断)の設置も有効で、内閣府・経済産業省が設置を推奨しています。
いいえ。東京都帰宅困難者対策条例をはじめ、多くの自治体が発災後の一斉帰宅の抑制を呼びかけています。交通機関が復旧するまでは職場に留まるのが原則です。無理な徒歩帰宅は道路の混雑を招き、救助活動の妨げにもなります。企業は従業員の3日分の備蓄を確保する努力義務があります。
気象庁によると、大きな地震の後1週間程度は同程度の余震に注意が必要です。特に最初の24時間は余震の頻度が高いため、倒れそうな家具から離れ、安全な場所で過ごしましょう。余震で建物の損傷が進行することもあるため、被害が拡大していないか定期的に確認してください。
罹災証明書は、災害による住家の被害程度を市区町村が証明するもので、各種支援制度の申請に必要です。修理や片付けを始める前に、建物の外観・室内の被害状況を写真で記録しておくことが重要です。被害の証拠がないと適切な判定が受けられない場合があります。
在宅・外出先・職場の3つの状況に応じて、地震直後にやるべき行動を切り替えて確認できます。
身の安全確保→安否確認→ライフライン点検→避難判断→生活確保の順で、優先度順に行動をチェックできます。
URLを共有して家族全員で地震時の行動を事前確認。集合場所・連絡手段・役割分担を決めておきましょう。