日本の沿岸部に住む人々にとって、津波は最も恐ろしい自然災害のひとつです。2011年の東日本大震災では、最大遡上高40mを超える津波が東北沿岸を襲い、約2万人の命が失われました。この未曾有の災害は、「想定を超える津波は必ず来る」という教訓を私たちに残しました。気象庁は地震発生から約2〜3分を目標に津波警報・大津波警報を発表しますが、震源が近い場合は警報発表前に津波が到達することがあります。1993年北海道南西沖地震では奥尻島への津波到達がわずか数分でした。「警報を聞いてから逃げる」では間に合わない場合があるのです。
三陸地方には「津波てんでんこ」という言葉が伝わっています。「津波が来たら、家族を待たず、各自がてんでばらばらに高台へ逃げろ」という先人の知恵です。家族を探しに戻ることが命を落とす原因になるからこそ、事前に避難場所と集合場所を決めておくことが何より重要です。強い揺れを感じたら、警報を待たずにすぐ高台へ逃げること——これが命を守る鉄則です。
津波避難では「どこへ」「どのルートで」逃げるかを事前に決めておくことが最重要です。内閣府防災は、避難場所・避難路を複数確保し、ハザードマップで自宅の浸水想定を確認した上で避難計画を立てることを推奨しています。津波到達時間は地域によって数分から数十分と大きく異なるため、お住まいの地域の津波到達予想時間を必ず把握してください。津波は繰り返し襲来し、後から来る波の方が高くなることもあります。気象庁の津波警報が解除されるまで、絶対に海岸や浸水域には近づかないでください。また、高台のない地域では市区町村が指定する「津波避難ビル」「津波避難タワー」の場所を事前に確認しておきましょう。
このチェックリストで家族全員の避難計画を作成し、List Withで共有しておきましょう。避難ルート・集合場所・役割分担を家族全員が把握することが、いざという時の命の差になります。年に1回はリストを見直し、実際に避難ルートを歩いて所要時間を確認する訓練を行いましょう。
大人
子ども
人数を設定して持ち物と行動を確認
ハザードマップ確認・複数避難ルート・集合場所の事前計画
ハザードマップで自宅の浸水想定を確認する
1
自宅が何メートルの浸水想定区域か、浸水継続時間を確認。逃げる高さの目安になる
お住まいの市区町村のWebサイトまたは国土交通省「ハザードマップポータルサイト」で確認
第1避難ルート(最短ルート)を決める
1
最短時間で高台・避難場所に到達できるルートを徒歩で確認。所要時間を計測する
橋・地下道・崖下・川沿いは津波・土砂崩れで通行不能になる可能性があるため避ける
第2避難ルート(迂回ルート)を決める
1
第1ルートが浸水・がれきで通行不能になった場合の代替ルートを確保しておく
内閣府防災は複数の避難ルートの確保を推奨。少なくとも2ルートを事前に踏査する
第1避難場所(高台・指定緊急避難場所)を確認する
1
市区町村が指定する「津波」対応の指定緊急避難場所を確認。海抜高さも確認する
指定緊急避難場所はすべて津波対応ではない。「津波」の対応種別があるか必ず確認
第2避難場所(津波避難ビル・タワー)を確認する
1
高台が遠い地域では、市区町村指定の津波避難ビル・津波避難タワーが命綱になる
津波避難ビルの場所・開放条件・収容人数は市区町村ホームページで確認
家族の集合場所を2か所決める
1
「最初から避難場所で合流」が原則。探しに戻ると命を落とす危険がある
集合場所①=最寄りの高台・避難場所、集合場所②=より遠い安全な場所(親戚宅等)
自宅付近の津波到達予想時間を確認する
1
地域によって地震発生から津波到達まで数分〜数十分と大きく異なる。時間的余裕を把握する
気象庁「津波到達予想時刻・予想高さの早見表」や市区町村の津波ハザードマップで確認
避難場所まで徒歩で何分かかるか実測する
1
地図上の距離より実際の所要時間の把握が重要。夜間・荷物を持った状態も想定して確認
高齢者・小さな子どもがいる場合は移動に時間がかかる。早めの避難開始が必要
子どもの学校・保育園の津波避難計画を確認する
1
学校が先に避難を開始する場合がある。引き渡し場所・連絡方法を学校と共有しておく
近隣の要支援者(高齢者・障がい者)の把握と声かけ計画
1
迅速な避難が難しい方への声かけを事前に分担しておく。地域全体での避難が被害を減らす
地震発生直後から津波警報解除までの避難行動チェック
強い揺れを感じたらすぐ高台へ逃げる
1
「津波てんでんこ」の原則。警報を待たず、揺れが収まり次第すぐ避難開始
気象庁は「見てから逃げるのでは間に合わない」と警告。津波の速さはオリンピック短距離選手並み
津波警報を待たずに避難を開始する
1
地震発生直後に津波が来る場合、警報発表(約2〜3分)より先に波が到達することがある
「弱い揺れでも長い揺れ」も津波の前兆。揺れの強さに関係なく海岸付近では即避難
できるだけ高い場所・遠い場所に逃げる
1
津波は「想定外の高さ」になることがある。海抜高さに余裕を持った場所を目指す
「ここまで来れば大丈夫」ではなく、より高く・より遠くに逃げ続けることが重要
警報解除まで絶対に戻らない
1
津波は繰り返し来襲し、2波・3波が1波より高くなることがある
気象庁の津波警報・注意報が解除されるまで海岸・低地には近づかない
車での避難は原則行わない
1
渋滞で逃げ遅れるリスクが高い。徒歩で逃げられる人は徒歩避難が原則
要配慮者の搬送など止むを得ない場合のみ車を使用。渋滞時は車を捨てて徒歩に切り替える
高台に到達できない場合は津波避難ビルへ
1
津波避難ビル・タワーは高台到達が困難な場合の代替手段。場所を事前に確認しておく
ラジオ・防災アプリで津波情報を継続収集する
1
気象庁の津波警報・注意報の変化を確認する。「大津波警報」「津波警報」の違いを把握
スマホの緊急速報メール(エリアメール)は自動受信。設定でオフにしていないか確認
走って逃げられる重さに絞った津波避難専用の持ち出し品
津波避難用リュックサック
3
両手が使えるリュックタイプが必須。走って逃げられる重さ(大人10〜15kg以内)に絞る
すぐ持ち出せるよう玄関に置いておく。防水素材または防水バッグに入れて準備
飲料水(携帯用)
5本
避難所到着まで・避難生活初日の水分補給に。重くなりすぎないよう500ml×人数分が目安
携行食(エネルギーバー・ゼリー飲料)
6個
軽量・高カロリーで調理不要。避難所への移動中・到着直後のエネルギー補給に
ヘッドライト・懐中電灯
2
夜間の避難・停電時に必須。ヘッドライトなら両手を使って逃げられる
電池残量を定期的に確認。LEDタイプは長寿命でおすすめ
ホイッスル(防災笛)
3
がれきに閉じ込められた場合の救助要請に。声より遠くまで届き体力消耗も少ない
防水袋(貴重品・スマホ保護用)
1
浸水時に貴重品・スマホが水に濡れるのを防ぐ。避難リュックごと入れられる大型も有効
モバイルバッテリー(フル充電)
2
停電・通信障害の中でもスマホを使い続けるために必須。10000mAh以上推奨
定期的に充電状態を確認。充電ケーブルも一緒に収納
携帯ラジオ
1
通信障害時でも気象庁・NHKの津波情報をリアルタイムで受信できる情報インフラ
手回し充電・乾電池両対応タイプが便利
レインウェア(上下セパレート)
3
夜間・悪天候時の避難に必要。保温効果もあり体温低下を防ぐ
脱げにくい運動靴(玄関に常備)
3
逃げる際に障害物・がれきで足を怪我しないよう底の厚い運動靴を玄関に置いておく
サンダル・スリッパでの避難は危険。就寝時はベッドの下に靴を置いておく習慣を
救急セット(絆創膏・消毒液)
1
避難時のがれきによる怪我の応急処置に。浸水した水は不衛生で感染リスクが高い
常備薬・処方薬(最低3日分)
3
持病がある場合は避難所や被災地で同じ薬が手に入らないことがある
おむつ・離乳食(乳幼児分)
1
乳幼児がいる場合は避難所での配給が間に合わないことがある。2〜3日分を携帯
津波警報の受信・家族の安否確認に必要な情報ツール
スマートフォン(フル充電)
2
気象庁緊急速報メール・災害情報収集・家族の安否確認の要。避難前に必ず充電確認
緊急連絡先カード(防水袋に入れて携帯)
3
スマホが使えない・壊れた場合でも家族・親族・かかりつけ医への連絡ができる
災害用伝言ダイヤル(171)の使い方もカードに記載しておく
家族の安否確認方法を決めて練習する
1
NTT災害用伝言ダイヤル(171)・web171・SNS等、複数の連絡手段を家族で共有しておく
毎月1日・15日・正月三が日・防災週間に171の体験利用が可能。家族で試しておく
防災アプリ・気象庁アプリのインストール・設定確認
1
「NHKニュース・防災アプリ」「Yahoo!防災速報」等で津波警報をプッシュ通知で受け取る
プッシュ通知の許可設定を確認しておく。緊急速報メール(エリアメール)は設定不要
被災後の行政手続き・医療機関受診に必要な貴重品と書類
現金(小銭含む)
1
停電でATM・キャッシュレス決済が使えなくなる場合がある
防水袋に入れて携帯。1万円程度の小銭・千円札を用意しておく
身分証明書・保険証のコピー(防水袋保管)
1
被災後の行政手続き・医療機関受診に必要。原本が持ち出せない場合のバックアップ
保険証券番号・連絡先メモ
1
火災保険・地震保険の請求時に必要。スマホ写真で控えを取っておくのも有効
お薬手帳のコピー
3
避難先で医療機関を受診する際に処方薬の情報が伝わり、適切な治療につながる
避難所到着後の登録・被害記録・支援制度の情報収集
避難所に到着したら名簿に登録する
1
安否情報として記録される。未登録だと行方不明者として家族が探し続けることになる
自宅・家財の被害状況を写真で記録する
1
罹災証明書の申請に必要。修理・片付けの前に必ず撮影する
片付け・修理前に建物外観・室内の被害を撮影。被害前の写真があると比較できて有利
帰宅・立入りのタイミングを確認する
1
津波警報解除後も地盤沈下・余震・二次被害のリスクがある。自治体の立入許可を確認
解除直後の帰宅は危険な場合がある。市区町村の情報を必ず確認する
被災者支援制度・給水拠点の情報を収集する
1
罹災証明書の申請・被災者生活再建支援金・仮設住宅の申込み等、復旧に必要な情報を収集
大人と子どもの人数を設定します
ハザードマップ・避難ルート・集合場所を事前に確認・記録します
津波避難専用の持ち出しセットを準備してチェックします
リストを家族全員と共有し、避難ルートと役割分担を確認しましょう
年に1回は実際に避難ルートを歩き、所要時間を確認しましょう
揺れが収まり次第、すぐに逃げ始めてください。気象庁は地震発生から約2〜3分で津波警報を発表しますが、地域によっては警報より先に津波が到達する場合があります。「津波警報が出てから逃げる」という考えは危険で、強い揺れ・長くゆっくりした揺れを感じたら、警報を待たず即座に高台へ向かうことが内閣府防災・気象庁の推奨です。
お住まいの市区町村が指定する「津波避難ビル」や「津波避難タワー」へ避難してください。これらは高台の代替施設として整備されており、建物の上層階や専用タワーに逃げることができます。市区町村のホームページや防災マップで場所を事前に確認し、そこまでの経路を実際に歩いて把握しておきましょう。
津波の速さは海岸付近でも時速36km程度(オリンピック短距離選手並み)あり、目視してから逃げても間に合いません。高さは地域や地形により数十センチから20m超まで大きく異なり、20〜30cm程度でも流れに巻き込まれる危険があります。気象庁の津波警報では「大津波(3m超)」「津波(1〜3m)」「津波注意報(0.2〜1m)」に分類されています。
原則として徒歩避難が推奨されています。車での避難は渋滞を引き起こし、自分も周囲の人も逃げ遅れる原因になります。ただし、高齢者・障がい者・乳幼児連れなど徒歩での移動が困難な場合は車を使用します。渋滞で動けなくなった場合は車を捨てて徒歩に切り替えることも想定しておきましょう。
「津波てんでんこ」とは、三陸地方に伝わる言葉で「津波が来たら家族を待たず、それぞれがてんでばらばらに高台に逃げろ」という教えです。各自が逃げることに専念することで、むしろ全員が助かる確率が高まるという考え方です。家族を探して戻ることが命を落とす原因になるため、事前に集合場所を決めておくことが重要です。
いいえ、すぐには帰宅できない場合があります。津波警報解除後も、地盤沈下による冠水が続いていたり、建物の損傷・倒壊リスクがある場合があります。市区町村が立入許可を出すまで待機し、帰宅時は家屋の損傷状況を慎重に確認してください。特に木造住宅では二次的な倒壊リスクに注意が必要です。
学校では「学校防災マニュアル」に基づいて教職員の指示のもと避難します。保護者はむやみに学校へ迎えに行かず、自分自身が安全な場所に逃げてください。引き渡しは安全が確認された後に行われます。学校の津波避難場所・引き渡し場所・連絡方法を事前に確認し、家族で共有しておくことが大切です。
大人と子どもの人数を設定するだけで、飲料水・携行食・ホイッスル・着替えなど人数比例のアイテムが自動計算されます。
ハザードマップ確認・複数避難ルート・津波到達時間の把握など、地震の二次災害としての津波に特化したチェック項目を網羅しています。
URLを共有して家族全員で避難ルート・集合場所・役割分担を事前確認。子どもの学校の避難計画もまとめて管理できます。