災害時、自宅の建物が安全で、土砂災害や浸水の危険がなければ「在宅避難」が推奨されます。内閣府防災の「避難情報に関するガイドライン」でも、避難所の過密を避けるため、自宅が安全な場合は在宅避難を選択肢の一つとして位置づけています。実際に、2016年の熊本地震では避難所の過密や車中泊避難による健康被害が深刻な問題となり、在宅避難の重要性が改めて認識されました。
在宅避難では、電気・ガス・水道のライフラインがすべて途絶えた状態で、少なくとも3日間、できれば1週間自宅で過ごすことを想定した準備が必要です。過去の大規模災害のデータでは、電気の復旧に1〜3日、水道に1〜2週間、都市ガスに2〜4週間を要したケースがあり、特に断水と停電への備えが重要となります。断水時にはトイレが使えなくなることが生活上の最大の困難となるため、簡易トイレの備蓄は最優先事項の一つです。
在宅避難の最大のメリットは、住み慣れた環境でプライバシーを保ちながら過ごせることです。特に赤ちゃんや高齢者、ペットがいる家庭、持病のある方にとっては、避難所よりも自宅の方がストレスが少なく過ごせます。一方で、家具の転倒防止や建物の安全確認、ガス漏れへの対応、通電火災の防止など、自宅だからこその対策も欠かせません。
このチェックリストでは、在宅避難に必要な「安全確認」と「備蓄品」の両方をカバーしています。家具の固定状況やガス・水道の元栓の位置確認など日頃からできる安全対策と、飲料水・食料・簡易トイレ・照明など人数に応じた備蓄品を一つのリストで管理できます。List Withでリストを作成すれば、家族で共有して定期的に確認・更新できます。
大人
子ども
人数を設定して必要な備えを確認
家具の転倒防止・ガスや水道の元栓確認など、自宅の安全を確保するための対策
家具の転倒防止器具の設置
1
L字金具・突っ張り棒・転倒防止マットで家具を固定
寝室の家具は特に優先的に固定を
窓ガラス飛散防止フィルム
1
地震時のガラス飛散による怪我を防止
消火器
1
初期消火に。住宅用消火器の使用期限は約5年
ガスの元栓の位置確認
1
地震直後にガスを止められるよう全員が位置を把握
マイコンメーター(ガスメーター)の復帰方法も確認
水道の元栓の位置確認
1
配管破損時に水を止められるよう位置を把握
ブレーカーの位置確認
1
通電火災防止のため、避難前にブレーカーを落とす
感震ブレーカーの設置も検討を
避難経路の確認
1
玄関以外の避難経路も確認。ベランダの避難はしごの位置など
断水・ガス停止に備えた飲料水・非常食・調理器具の備蓄
飲料水(2Lペットボトル)
24リットル
1人1日3リットル × 3日分。できれば1週間分
浴槽の水張り
1
生活用水としてトイレ流し・清掃に使用。飲用不可
日頃から浴槽に水を溜めておく習慣を
非常食・レトルト食品
24食分
アルファ米・缶詰・レトルトを組み合わせて3日分以上
カセットコンロ
1
ガス停止時に温かい食事を作れる
カセットボンベ
6本
1本約60分。3日分で6本以上が目安
断水時のトイレ・衛生管理に必要な簡易トイレや衛生用品
簡易トイレ(凝固剤タイプ)
40回分
断水時の必需品。1人1日5回 × 3日分
トイレットペーパー
5ロール
ゴミ袋(45L)
30枚
ゴミ収集が止まるため多めに。トイレ用にも
ウェットティッシュ・除菌シート
3パック
断水時の手洗い・体拭きに
消臭スプレー
1
簡易トイレ使用時の臭い対策に
停電・通信障害時の情報収集手段と電源確保のための備え
携帯ラジオ
1
停電・通信障害時の情報収集手段
LEDランタン
2個
停電時の室内照明。ロウソクよりずっと安全
懐中電灯
1
予備電池(各サイズ)
3セット
モバイルバッテリー(大容量)
1
スマホの充電確保。10000mAh以上推奨
防寒・応急処置・片付けなど、在宅避難生活を維持するための道具
毛布・寝袋
3
暖房が使えない場合の防寒に
ラップ
2
食器に敷いて洗い物削減。断水時に必須
紙皿・紙コップ・割り箸
1セット
断水時に洗い物を出さないために
現金(小銭含む)
1
停電でATM・電子決済が使えなくなるため
救急セット
1
軍手・作業用手袋
2双
片付け・ガラス除去作業に
ブルーシート
1
屋根・窓の応急補修、敷物として
ガムテープ・養生テープ
1
窓の応急処置、掲示物の貼り付け等に
大人と子どもの人数を設定します
家具の固定やライフラインの確認を行います
人数に応じた備蓄品を揃えます
年に2回、備蓄品の確認と安全点検を行いましょう
自宅の建物が安全で、土砂災害や浸水の危険がなければ在宅避難が推奨されます。内閣府防災のガイドラインでも、避難所の過密を避けるため、安全な自宅にとどまることを選択肢の一つとして示しています。判断のポイントは、建物の損傷がないこと、ハザードマップで浸水や土砂災害の危険区域に入っていないこと、そして自治体から避難指示が出ていないことです。避難指示が出た場合は必ず従ってください。
過去の大規模災害のデータでは、電気が最も早く1〜3日、水道は1〜2週間、ガスは2〜4週間が復旧の目安です。ただし被害の規模や地域によって大きく異なり、南海トラフ巨大地震のような広域災害では、さらに長期化する可能性も指摘されています。内閣府は最低3日分、推奨1週間分の備蓄を呼びかけています。特に断水が長引くため、飲料水と簡易トイレの備蓄を優先しましょう。
通電火災とは、停電が復旧した際に損傷した配線や転倒したヒーターなどに電気が流れて発生する火災です。阪神・淡路大震災では出火原因の約6割が電気関係とされています。防止策として、避難前や大きな揺れの後にブレーカーを落とすことが最も有効です。消防庁も推奨する感震ブレーカー(一定以上の揺れで自動的に電気を遮断する装置)の設置も効果的で、分電盤タイプやコンセントタイプなど種類があります。
高層階では特有の課題があります。エレベーターの停止により移動が困難になること、揚水ポンプの停止による断水、排水管の損傷リスクに注意が必要です。特に重要なのは、管理組合から排水管の安全確認が完了するまでトイレの水を流さないよう指示が出る場合があることです。排水管が損傷した状態で水を流すと、下の階に汚水が漏れる恐れがあります。そのため、マンション住民は簡易トイレの備蓄を十分に確保しておくことが特に重要です。
浴槽の水は飲用には適しませんが、トイレの流し水、清掃、洗い物などの生活用水として大変役立ちます。一般的な浴槽で約200リットルの水を確保でき、断水時には貴重な生活用水になります。日頃から入浴後に浴槽の水を抜かず、翌日の入浴前に入れ替えるサイクルにしておくと、常に生活用水を確保できます。ただし、小さなお子さんがいる家庭では溺水事故防止のため、浴室のドアをロックするなどの安全対策を必ず行ってください。
在宅避難者も、避難所で配布される支援物資(食料、飲料水、生活用品など)を受け取れる場合が多くあります。内閣府の「避難所運営ガイドライン」でも、在宅避難者への支援を行うことが示されています。具体的な配布場所や方法は自治体によって異なるため、防災行政無線、自治体のWebサイト、携帯ラジオなどで最新情報を確認してください。また、自治体が開設する給水拠点も利用できますので、ポリタンクや空のペットボトルを用意しておくと便利です。
家具の固定・ライフラインの元栓確認など、日頃の安全対策と備蓄品を一つのリストで管理できます。
大人と子どもの人数を設定するだけで、飲料水・食料・簡易トイレの必要数量が自動計算されます。
URLを共有して家族全員で安全確認と備蓄状況をチェック。年2回の定期点検にお使いください。