大規模地震や台風などの災害が発生すると、公共交通機関が停止し、多くの従業員が帰宅困難になります。東京都帰宅困難者対策条例では、事業者に対して従業員の3日分の飲料水・食料・その他必要物資の備蓄を確保する努力義務を定めています。同様の取り組みは大阪府・神奈川県など全国の自治体に広がっており、企業の防災対策は社会的責任の一部となっています。
内閣府の「企業の事業継続に関するガイドライン」では、発災直後の一斉帰宅を抑制し、従業員を職場に安全に留めることが推奨されています。そのためには最低3日分の水・食料・簡易トイレに加え、救護用品・情報通信手段・帰宅支援グッズの備蓄が不可欠です。さらに、事業継続計画(BCP)の策定と定期的な防災訓練によって、備蓄品の活用体制を整えておくことが重要です。
内閣府の調査によると、首都直下地震では最大約800万人の帰宅困難者が発生すると推計されています。企業が十分な備蓄と対策を講じることは、従業員の安全を守るだけでなく、救助活動の妨げとなる一斉帰宅を防ぎ、地域全体の防災力向上にもつながります。オフィスビルでは停電によるエレベーター停止・断水・空調停止も想定されるため、高層階のオフィスでは特に備蓄品の保管場所と搬出方法を事前に確認しておく必要があります。
このチェックリストでは、従業員数を入力するだけで飲料水・非常食・携帯トイレなどの必要備蓄量が自動計算されます。消防庁の推奨に基づき1人1日3リットルの飲料水と1日3食分の非常食を3日分確保する前提で数量を算出します。総務・防災担当者がチームでリストを共有し、備蓄品の購入計画・在庫管理・消費期限チェック・保管場所の管理にお役立てください。年に2回(防災の日の9月と3月)の定期点検で、いざというときに確実に機能する備えを整えましょう。
大人
従業員数を設定して備蓄量を確認
3日分の飲料水・非常食・加熱セットなど、従業員の命を守る最優先備蓄品
飲料水(500mlまたは2Lペットボトル)
90リットル
1人1日3リットル × 3日分が目安
保管場所の温度管理に注意。直射日光を避けて保管
非常食(アルファ米・クラッカー・缶詰)
90食分
1人1日3食 × 3日分。アレルギー対応食も含めて準備
アレルギー表示を確認し、対応食も一定数備蓄する
加熱セット(発熱剤)
30個
電気・ガスが使えない場合に食事を温められる
紙コップ・紙皿・割り箸
90セット
洗い物ができない状況での食事に
飴・チョコレート・栄養補助食品
30
糖分補給・気持ちを落ち着ける効果。配布もしやすい
簡易トイレ・衛生用品・防寒具など、職場での滞在生活を支える必需品
簡易トイレ(凝固剤タイプ)
150回分
断水時に必須。1人1日5回 × 3日分
使用済みの保管場所(密封できるゴミ袋)も併せて準備
トイレットペーパー
20ロール
ゴミ袋(45L)
50枚
簡易トイレの廃棄・ゴミ処理に。多めに備蓄
ウェットティッシュ・除菌シート
10パック
断水時の手洗い・清掃に
毛布またはアルミブランケット
10
宿泊を余儀なくされた場合の防寒に
アルミブランケットは軽量・コンパクトで保管場所を取らない
生理用品
30
女性従業員の数を考慮して適切な数量を備蓄
救急箱・AED・マスクなど、従業員の怪我や体調不良に対応する医療用品
救急箱(業務用)
1
絆創膏・包帯・消毒液・三角巾・はさみ・ピンセット等
従業員50人以上の事業所は労働安全衛生法で救急用具の設置が義務
AED(自動体外式除細動器)の設置確認
1
設置場所と使用方法を全従業員に周知
年1回以上の動作確認とパッドの消費期限チェックが必要
マスク
90枚
粉塵防護・感染症予防に
軍手・作業用手袋
10双
ガラス片の除去・片付け作業に
簡易担架
1
怪我人の搬送用。折りたたみ式が保管に便利
携帯ラジオ・懐中電灯・モバイルバッテリーなど、停電時の情報収集・連絡手段
携帯ラジオ(手回し充電式)
1
停電・通信障害時の情報収集手段
メガホン(拡声器)
1
避難誘導・指示伝達用
懐中電灯・LEDランタン
3個
停電時の照明・避難誘導に。フロアごとに配置
予備電池(各サイズ)
5セット
モバイルバッテリー(大容量)
10
従業員のスマホ充電用。10000mAh以上推奨
ホワイトボード・マーカー・掲示用品
1
停電時の情報共有・安否確認ボードとして活用
従業員緊急連絡先リスト(紙版)
1
電子データが使えない場合に備えて紙で保管
個人情報保護に配慮し、鍵付きの場所に保管
スニーカー・帰宅マップ・反射材など、交通機関復旧後の安全な帰宅を支援するグッズ
帰宅用スニーカー
10
ヒール・革靴では長距離歩行が困難。各自1足をロッカーに保管
各従業員が自分用のスニーカーを備えておく
帰宅支援マップ(紙地図)
1
スマホの電池切れに備えて紙の地図を準備
自治体が配布する帰宅支援マップも活用
反射材付きベスト・タスキ
10
夜間の徒歩帰宅時の安全確保に
簡易レインコート
10
雨天時の帰宅・避難に
帰宅用携行食
20
長距離徒歩帰宅時のエネルギー補給に
転倒防止・飛散防止・避難経路など、災害発生時の被害を最小限にする事前対策
キャビネット・棚の転倒防止器具
1
L字金具・突っ張り棒で固定。地震時の倒壊による怪我を防止
複合機・サーバーラックの固定も確認
窓ガラス飛散防止フィルム
1
地震時のガラス飛散による怪我を防止
消火器の設置確認
1
設置場所・使用方法を全従業員に周知。使用期限も確認
避難経路図の掲示
1
各フロアに避難経路図を掲示。非常口の位置を周知
ヘルメット
10
避難時・片付け作業時の頭部保護に
折りたたみ式ヘルメットは保管場所を取らない
防災マニュアル・BCP
1
災害時の対応手順・役割分担・連絡体制を文書化
年1回以上の防災訓練で内容を確認・更新
大人の人数に従業員数を入力します
カテゴリ別に必要な備蓄品と数量を確認します
リストのURLを総務部門・防災チームと共有します
年2回、備蓄品の消費期限・数量を確認しましょう
東京都帰宅困難者対策条例では、事業者に対して従業員の3日分の水・食料・その他必要物資の備蓄を努力義務としています。同様の条例は大阪府など他の自治体にもあります。法的義務ではなく努力義務ですが、従業員の安全確保は企業の責任であり、BCP(事業継続計画)の基本です。
各フロアに分散保管するのが理想です。1箇所に集中すると、その場所が被災した場合にすべてが使えなくなります。倉庫・給湯室・各フロアのキャビネットなど、複数箇所に分散しましょう。直射日光・高温多湿を避け、取り出しやすい場所に保管してください。
年2回(防災の日の9月1日と3月頃)の定期点検がおすすめです。消費期限が近い食料・水は防災訓練時に配布して消費し、新しいものと入れ替える「ローリングストック」が効率的です。このリストを共有し、チェックした日付を記録しておくと管理がしやすくなります。
食物アレルギーを持つ従業員の人数を把握し、該当者分のアレルギー対応食を備蓄しましょう。最低限、卵・乳・小麦・そば・落花生などの特定原材料を含まない食品を一定数用意しておくことが望ましいです。アルファ米は比較的アレルギー物質が少なく汎用性が高いです。
消防法では特定の建物に年2回以上の消防訓練が義務付けられています。これに加えて、備蓄品の確認・安否確認システムのテスト・帰宅困難者対応の訓練を年1回以上実施することをおすすめします。新入社員向けの防災オリエンテーションも重要です。
大規模災害時、公共交通機関の停止により帰宅が困難になる従業員への対策です。内閣府の方針では、発災後は一斉帰宅を控え、職場で待機することが求められています。企業は3日分の備蓄と宿泊環境(毛布等)を確保し、交通機関の復旧後に安全に帰宅できるよう支援します。徒歩帰宅の場合は安全な経路と距離を事前に確認しておきましょう。
従業員数を入力するだけで、飲料水・食料・簡易トイレなどの必要備蓄量が自動計算されます。
備蓄品の購入リスト・在庫管理・消費期限チェックに。チームで共有して管理を効率化できます。
オフィスの備蓄品だけでなく、安全対策・帰宅支援グッズまでカバー。企業防災の全体像を確認できます。