地震や豪雨の際、避難所の混雑やプライバシーの問題から車中泊避難を選ぶ方が増えています。熊本地震(2016年)では避難者の約7割が車中泊を経験したとされ、その後の北海道胆振東部地震(2018年)や令和元年東日本台風(2019年)でも多くの方が車中泊避難を選択しました。内閣府防災の「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」でも、車中泊避難者への支援体制の整備が求められています。
車中泊避難はプライバシーの確保、ペットとの同伴、家族単位での生活維持といったメリットがある一方、特有のリスクがあります。最も深刻なのがエコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)です。厚生労働省では予防策として、こまめな水分補給、定期的に車外に出て歩くこと、足首の曲げ伸ばし運動、弾性ストッキングの着用、ゆったりした服装を推奨しています。熊本地震では車中泊避難に関連するエコノミークラス症候群の発症例が相次ぎ、死亡事例も報告されました。
また、水害時の車での避難には特別な注意が必要です。道路の冠水が始まるとわずか30cmの水深でもエンジンが停止する場合があり、国土交通省はアンダーパスや低地への進入を避けるよう警告しています。車中泊避難を想定する場合は、事前にハザードマップで安全な避難経路と駐車場所を確認しておきましょう。
車内環境の整備も重要です。窓の目隠し、マットやクッションによるフラットな寝床、季節に応じた暑さ・寒さ対策を準備しましょう。ガソリンは日頃から半分以上を維持する習慣が大切です。災害発生直後はガソリンスタンドに長蛇の列ができるか、営業停止になるケースが多いためです。このチェックリストでは、車中泊避難に特化したアイテムを人数に応じて網羅しています。
大人
子ども
人数を設定して持ち物を確認
車内で快適に過ごすための環境整備アイテム。目隠し・マット・電源確保など
窓用サンシェード・目隠し
1
プライバシー確保と日差し・冷気の遮断に
全窓分を用意。吸盤タイプや静電気タイプが便利
車中泊用マット・エアマット
2
シートの凹凸を埋めてフラットな寝床を作る
クッション・エア枕
2
シートの段差を埋めたり枕として使用
車載USBチャージャー(シガーソケット)
1
スマホ・モバイルバッテリーの充電に
ポータブル電源
1
エンジン停止中の電源確保に。扇風機や電気毛布にも
ガソリンを常に半分以上に維持
1
災害時はガソリンスタンドが長時間使えなくなる
日頃から半分を切ったら給油する習慣を
車中泊避難中の飲料水と食料。エコノミークラス症候群予防の水分補給にも
飲料水(500mlペットボトル)
12本
エコノミークラス症候群予防のため十分な水分補給を
携行食(パン・おにぎり・カロリーメイト等)
12食分
調理不要で車内で食べやすいもの
お菓子・飴
1
糖分補給とストレス緩和に
クーラーボックス・保冷バッグ
1
食品の保存、冷蔵庫の中身の移動に
車内での衛生管理と健康維持に必要なアイテム。携帯トイレや弾性ストッキングなど
弾性ストッキング(着圧ソックス)
2
エコノミークラス症候群の予防に。厚生労働省が推奨
携帯トイレ
20回分
夜間のトイレ問題解決に必須
ウェットティッシュ・除菌シート
2パック
手洗い・体拭きに
ゴミ袋
10枚
タオル
2枚
常備薬・酔い止め
1
車酔いしやすい方は酔い止めも。持病の薬は必ず
虫除けスプレー
1
換気のための窓開け時に
車内での睡眠環境と防寒対策。寝袋・毛布・着替えなど季節を問わず必要な備え
寝袋・毛布
2
車内の寒さ対策に。冬場は特に重要
アルミブランケット
2
コンパクトで保温効果が高い。予備として
着替え(上下・下着)
2セット
災害情報の収集と安全確保のためのアイテム。ラジオ・懐中電灯・脱出用ハンマーなど
携帯ラジオ
1
災害情報の収集に。カーラジオの電池消耗を防げる
懐中電灯・ヘッドライト
1
夜間のトイレ移動・車外活動に
現金(小銭含む)
1
停電でATM・電子決済が使えなくなるため
救急セット
1
緊急脱出用ハンマー
1
浸水時にドアが開かなくなった場合の脱出用
シートベルトカッター付きが便利
車中泊する大人と子どもの人数を設定します
車中泊避難に必要な持ち物を確認します
揃えた持ち物を車に積んでチェックを入れましょう
ガソリンは常に半分以上を維持しましょう
厚生労働省では、こまめな水分補給、定期的に車外に出て歩くこと、足首の曲げ伸ばし運動、弾性ストッキングの着用、ゆったりとした服装でベルトをきつく締めないことを推奨しています。十分な水分を摂り、アルコールやカフェインは脱水を促すため控えましょう。足を下げたまま長時間寝ないことも大切です。
絶対に避けてください。エンジンをかけたまま就寝すると、排気ガスが車内に入り込み一酸化炭素中毒を引き起こす危険があります。一酸化炭素は無色・無臭のため気づかないうちに意識を失うことがあり、死亡事故も発生しています。特に豪雪時はマフラーが雪で塞がれ、排気ガスが車体下部に滞留するリスクが高まります。防寒は寝袋・毛布・アルミブランケットの重ね使いで対応し、エンジンに頼らない備えを準備しておきましょう。
健康面から3日以内が目安です。それ以上の場合はエコノミークラス症候群のリスクが高まるため、避難所や別の避難先への移動を検討してください。高齢者・妊娠中の方・持病のある方は特にリスクが高いため、早めに避難所等への移動を検討しましょう。
日頃からガソリンタンクを半分以上に保つ習慣が大切です。災害時はガソリンスタンドに長蛇の列ができたり、営業停止になる場合があります。車中泊ではエアコンや充電でガソリンを消費するため、エンジンの使用は最小限にしましょう。
夏場はサンシェードで直射日光を遮り、窓を少し開けて換気しつつ充電式扇風機やUSB扇風機で空気を循環させます。濡れタオルを首に巻くのも効果的です。冬場は寝袋・毛布・アルミブランケットを重ねて防寒し、ホッカイロも活用しましょう。車内は外気温より冷え込むことがあるため、冬用の寝袋(快適温度-5度以下)を推奨します。いずれの季節もエンジンをかけたままのエアコン使用は一酸化炭素中毒の危険があるため、絶対に避けてください。
崖や川の近く、塀やブロック塀の横は余震や土砂災害による二次災害の危険があるため避けてください。自治体が指定する車中泊避難場所、大型商業施設の駐車場、公園の駐車場などが比較的安全です。近年は熊本市をはじめ車中泊避難専用スペースを設ける自治体も増えているため、お住まいの自治体の防災情報を事前に確認しておきましょう。傾斜地に駐車する場合はサイドブレーキに加えて輪止めを使用し、建物や電柱の倒壊範囲外に駐車することも重要です。
厚生労働省推奨の弾性ストッキングや十分な水分補給など、車中泊特有の健康リスク対策を重視したリストです。
窓の目隠し・車中泊マット・シガーソケットチャージャーなど、車で避難生活を送るために必要なアイテムに特化しています。
大人と子どもの人数を設定するだけで、飲料水・食料・寝具の必要数量が自動計算されます。