介護施設への入所が決まると、「何を持っていけばいいのか」「施設によって必要なものは違うのか」とご本人・ご家族が不安になるケースは少なくありません。厚生労働省が所管する介護保険3施設のうち、特別養護老人ホーム(特養)は原則要介護3以上の長期生活施設、介護老人保健施設(老健)は在宅復帰を目指すリハビリ中心の中間施設、グループホームは認知症対応型共同生活介護(要支援2以上)、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)・有料老人ホームは比較的自由度の高い住まい型施設と、提供されるサービス・居室環境・持ち込める家具の自由度がそれぞれ異なります。このチェックリストでは、施設タイプと性別を選択するだけで、入所に必要な持ち物を整理して確認できます。
入所準備で最も重要なのが、すべての衣類・日用品へのフルネーム記名です。特養・老健では洗濯を施設側で一括管理するため、記名のない衣類は取り違えや紛失の原因になります。洗濯タグ・靴下の底・下着のウエスト部分・タオルの端まで漏れなく記名し、油性マジック(黒)とアイロン式ネームシールを併用するのが確実です。公的書類は介護保険被保険者証・健康保険証(後期高齢者医療証)・負担限度額認定証(申請済みの場合)・お薬手帳・印鑑が基本セット。負担限度額認定証は市区町村に申請が必要で、所得区分により居住費・食費が最大月5〜6万円軽減されるため、申請漏れがないか必ず確認しましょう。
衣類の枚数は、施設の洗濯頻度(週2〜3回が一般的)を踏まえて普段着5セット・下着7枚・靴下5足・パジャマ3セットが目安です。上履きはかかとのある滑りにくいタイプを選び、転倒防止のため紐ではなくマジックテープ式が推奨されます。入れ歯・補聴器・眼鏡など医療機器類は施設到着時に現物確認を行うため、ケース・予備電池・洗浄剤とセットで用意しましょう。貴重品・多額の現金・通帳・印鑑はご家族が管理し、施設には持ち込まないのが原則です。
入所当日までの流れは、契約書類の準備(入所1〜2週間前)→ 衣類・日用品の記名作業(1週間前)→ 施設指定の持ち物リスト最終確認(前日)という流れが一般的です。施設ごとに指定品・禁止品(刃物・ガラス製品・電気毛布など)のルールが異なるため、施設から配布される持ち物リストと照合して漏れ・違反がないかダブルチェックしてください。準備品が多い分、チェックリストで一つずつ潰していくのが最も確実で、ご家族と共有すれば離れて暮らす兄弟姉妹とも役割分担しながら進められます。
性別
施設タイプを選択して持ち物を確認
入所契約と介護保険適用の手続きに必須の書類群。介護保険被保険者証・健康保険証・負担限度額認定証は原本が必要。印鑑は実印ではなく認印で可の場合が多いが、施設により異なるため事前確認を
介護保険証
1
介護保険サービス適用の確認に必須。入所契約時に原本を提示
正式名称は「介護保険被保険者証」。コピー不可、原本提出(または提示後返却)。紛失時は市区町村窓口で再発行可
健康保険証
1
施設内医療や通院時に必要。マイナ保険証の場合は資格確認書の準備も
マイナンバーカードを保険証として利用中でも、施設では資格確認書または従来の保険証の写しを求められる場合がある。事前に施設へ確認
後期高齢者医療証
1
75歳以上(または65歳以上で一定の障害認定)の方は医療費負担割合の確認に必要
正式名称は「後期高齢者医療被保険者証」。該当者のみ必要。対象年齢前の方は不要
負担限度額認定証
1
所得区分により居住費・食費が月最大5〜6万円軽減される。市区町村に事前申請が必要
介護保険施設(特養・老健)で使用。未申請の場合は入所前に市区町村窓口で手続き
お薬手帳
1
服用中の薬を施設に正確に伝えるために必要
複数冊ある場合はすべて持参。アプリ版の場合は画面を印刷またはスクリーンショットで提出を求められることがある
印鑑
1
入所契約や各種手続きに必要
認印で可の施設が多いが、金融機関手続きを伴う場合は実印が必要。事前に施設へ確認。シャチハタ不可が原則
障害者手帳(該当する場合)
1
身体障害・精神障害・療育手帳をお持ちの場合、医療費助成や税控除の根拠書類として必要
緊急連絡先一覧
1
家族・かかりつけ医の連絡先をまとめておく
施設指定の持ち物リスト確認
1
施設ごとに指定品が異なるため、事前に確認必須
施設の洗濯頻度(週2〜3回)を前提に、普段着5セット・下着7枚が目安。共同洗濯での取り違え防止のためフルネーム記名が必須。伸縮性のある着脱しやすい前開きタイプが介助負担を減らす
普段着(すべてに記名)
5セット
施設では洗濯を共同で行うため、すべてに記名が必須
下着(すべてに記名)
7枚
洗濯サイクル(週2〜3回)を考慮すると7枚が最低ライン。介助しやすい前開きタイプが便利
靴下(すべてに記名)
5足
高齢者は足の冷えで血行が悪化しやすい。滑り止め付き・締め付けの緩いタイプを選ぶ
パジャマ(すべてに記名)
3セット
上下セパレート・前開きボタン式が着替え介助に最適。夜間のトイレ介助もスムーズになる
上履き(滑りにくいもの)
1
転倒防止のため、かかとのある滑りにくい靴を
カーディガン・羽織もの
2
空調による温度調節に
施設で共有提供されるものと個別持参が必要なものを事前確認。入れ歯・補聴器使用者は専用ケース・洗浄剤・予備電池を忘れずに。高齢者の皮膚は乾燥しやすく保湿ケア用品の持参が推奨される
歯ブラシ・歯磨き粉
1
口腔ケアは誤嚥性肺炎の予防に直結。柄が太めで握りやすいタイプが介助にも本人使用にも向く
入れ歯ケース・洗浄剤
1
入れ歯紛失は作り直しに数万円・数週間かかる。記名入りケースと週数回の洗浄剤が必須
入れ歯を使用している場合
タオル(フェイスタオル・バスタオル、すべてに記名)
5枚
入浴・洗面・食後など用途が多く、5枚以上あると安心。吸水性の高い綿100%がおすすめ
シャンプー・ボディソープ
1
使い慣れた低刺激タイプを選ぶと皮膚トラブルを避けられる。施設の共有品と合わない場合の備え
施設で提供される場合もあるので事前に確認
保湿クリーム
1
高齢者は肌が乾燥しやすいため
電気シェーバー
1
安全に使える電気シェーバーがおすすめ
割れない・軽い・記名しやすい素材を選ぶのが原則。コップはプラスチック製、洗濯袋は記名付きメッシュタイプが便利。ビニール袋は汚れ物や紙おむつ処理に多めに用意する
ティッシュペーパー
2箱
居室用に2箱。柔らかい保湿ティッシュは肌への刺激が少なく高齢者に向く
ウェットティッシュ
1
食事後の手拭きや清拭に重宝。ノンアルコール・無香料タイプが肌にやさしい
コップ(割れにくいもの)
1
落としても割れないプラスチック製がおすすめ
洗濯物入れ袋(記名付き)
2
施設での洗濯回収に使用。メッシュタイプだと乾燥が早く、記名ラベルも目立つ
記名用マジック・名前シール
1
すべての衣類・日用品に記名するために必要
ビニール袋(汚れ物入れ用)
10枚
汚れ物・使用済みおむつ等の処理用。施設でも使うので10枚以上あると安心
環境変化による不安(リロケーションダメージ)の軽減に役立つ。家族写真・好きな音楽・長年愛用した小物は認知症の方にも安心感を与えるとされる。高価品・貴重品は避ける
写真(家族写真)
1
居室に飾ることで安心感につながる
好きな音楽CD/プレーヤー
1
好きな音楽は気持ちの安定に効果的
介護施設入所は「申し込めばすぐ入れる」ものではなく、施設タイプにより数週間〜数年の待機が発生することもあります。地域包括支援センター・ケアマネジャーと連携し、余裕をもって進めましょう。
※制度・費用は変更の可能性があります。最新情報はお住まいの市区町村・地域包括支援センター・施設に直接確認してください。
特養・老健は施設備品中心で持ち込み制限が厳しい、グループホームは自室の装飾で環境適応を促進、サ高住・有料は家具家電の持ち込み自由度が高い。施設タイプを選択すると適した持ち物リストに切り替わります
介護保険証・健康保険証・負担限度額認定証(未申請なら市区町村に申請)・お薬手帳・印鑑の5点セットを揃える。認定証で居住費・食費が月最大5〜6万円軽減される
普段着5セット・下着7枚・タオル5枚などに、洗濯タグ・靴下の底・下着ウエスト部分まで漏れなく記名。油性マジックとアイロン式ネームシールの併用が確実
刃物・ガラス製品・電気毛布・ライター等は禁止が一般的。施設配布の「持ち物リスト」「禁止品リスト」と照らし合わせ、前日までに最終確認
書類手続き・買い出し・記名作業を分担。リストを共有すれば離れて暮らす兄弟姉妹とも進捗を共有でき、漏れ・重複を防げる
はい、介護施設では共同生活のため、すべての衣類・日用品へのフルネーム記名が必須です。特に特養・老健では施設側で洗濯を一括管理するため、記名のない衣類は取り違え・紛失の最大の原因になります。油性マジック(黒)で洗濯タグ・下着のウエスト部分・靴下の底・タオルの端に直接記入する方法と、アイロン式ネームシールの併用が確実です。下の名前だけでなく必ず姓名フルネームを記入しましょう。日用品(コップ・歯ブラシ・入れ歯ケース)にも耐水性の名前シールを貼付してください。
多額の現金・通帳・印鑑・高価な貴金属・重要書類の施設への持ち込みは避けましょう。施設によっては1万円程度を上限に預かり制度や小型金庫の貸し出しがあります。普段使いの現金は5,000円程度に留め、紛失しても問題ない範囲に限定してください。通帳・実印・高価な宝飾品・重要書類はご家族が自宅で保管し、年金受取口座の管理もご家族が行うのが一般的です。成年後見制度の利用を検討する場合は地域包括支援センターに相談できます。
施設タイプによって大きく異なります。特養・老健は介護ベッド等の施設備品を使用する前提で、個人の家具は小さな写真立て・置き時計・スタンド程度に制限されることが多いです。グループホームは自室に馴染みのある家具を持ち込むことで環境適応を支援する方針の施設もあります。サ高住・有料老人ホームは比較的自由度が高く、テレビ(32インチ以下が目安)・小型冷蔵庫(100L以下)・ソファなどが持ち込み可の場合もあります。ただしコンセント数・防炎基準・サイズ制限があるため、契約前に必ず施設へ確認してください。
普段着5セット、下着7枚、靴下5足、パジャマ3セットが標準的な目安です。施設の洗濯頻度(週2〜3回が一般的)と乾燥までの日数を考慮した枚数です。前開きタイプ・伸縮性のある素材・マジックテープ仕様のものは着脱介助がスムーズになります。季節の変わり目には衣替えで持ち込み・持ち帰りが必要なため、夏物・冬物を過剰に同時持ち込みしない方が収納も管理も楽になります。すべての衣類にフルネーム記名を忘れずに。
はい、面会時に追加の荷物を持ち込めます。入所当日にすべてを完璧に揃える必要はなく、生活を始めてから「やはり必要だった」ものを追加していく方がスマートです。ただし持ち込み品は施設に必ず報告し、持ち込み禁止品(刃物・ガラス製品・電気毛布・ライター等)に該当しないか確認してもらいましょう。施設によっては月1回程度の「持ち物チェック日」があり、家族が確認に立ち会うことを推奨するケースもあります。
特養・老健(介護保険3施設)ではおむつ代は介護保険給付の対象となり、施設費用に含まれているのが原則です(医療費控除の対象にもなり得ます)。一方、グループホーム・サ高住・有料老人ホームは介護保険の「居宅サービス」扱いのため、おむつ代は全額自己負担(月5,000〜15,000円程度)となるケースが多数です。契約前の重要事項説明書で「おむつ代」「日用品費」の扱いを必ず確認しましょう。リハビリパンツ・パッドのサイズ・吸収量の指定がある施設もあります。
はい、介護保険施設(特養・老健)には「負担限度額認定証」制度があり、所得と預貯金の要件を満たす方は居住費・食費が月額最大5〜6万円軽減されます。市区町村窓口で申請が必要で、認定証は毎年更新です。そのほか市区町村独自の助成制度、社会福祉法人等による利用者負担軽減制度、高額介護サービス費(月額自己負担の上限を超えた分を払い戻し)も利用可能です。詳細は地域包括支援センターやケアマネジャー、市区町村の介護保険課へ相談してください。制度は変更の可能性があるため最新情報は公式サイトで確認を。
はい、多くの施設で共通して禁止されるのは、刃物類(包丁・カッター・ハサミ等)・ガラス製品・電気毛布・電気ストーブ・ライター・マッチ・火気を使う調理器具などです。誤飲・けが・火災のリスクが理由です。また、医薬品は施設の看護師・介護士が一括管理するため自己所持不可が原則で、持参した薬は看護師に引き渡します。ペット・生花(感染リスクのため)も制限される場合があります。施設から配布される「持ち込み可能品リスト」「禁止品リスト」を入所前に必ず確認してください。
施設指定とは「施設が在庫管理・補充している共用品」または「統一仕様で揃えるよう求められる品」のことです。例えばおむつ・尿取りパッド・口腔ケア用品は特養では施設在庫を使用、食器は施設備品を使うのが一般的です。一方で個人で揃えるのは、肌に直接触れる衣類・下着、個人の嗜好や健康状態に関わる保湿クリーム・入れ歯用品、思い出の品(写真・好きな音楽)などです。契約時に渡される「重要事項説明書」と「持ち物リスト」で、費用に含まれる物品と自己負担品を明確に確認しましょう。
特養・老健の持ち込み制限、グループホームの自室装飾、サ高住・有料の家具家電持ち込みなど、施設タイプで大きく異なる必要品を切替表示。性別による化粧品・シェーバー等の違いにも対応
介護保険証・負担限度額認定証・お薬手帳など手続き必須書類、衣類下着のフルネーム記名、入れ歯・補聴器ケアセットまで、入所時に必要な全項目を体系化。当日の受け入れ確認でつまずかない
入所準備は書類手続き・買い出し・記名作業・衣類準備など作業が多岐にわたる。リストを共有すれば兄弟姉妹と進捗を同期でき、重複購入や漏れを防げる。面会時の追加持ち込みも記録できる