離婚届の提出は書類を出すだけで終わりではなく、届出後にも年金分割・健康保険の切替・住所変更・氏の変更など多くの手続きが必要です。特に年金分割は原則として離婚後2年以内、健康保険の切替は14日以内と期限があるものもあり、手続きの漏れや遅れが生活に直接影響します。このチェックリストでは、協議離婚と調停離婚の2パターンから選択するだけで、必要な書類・届出後の手続きが一覧で表示されます。
協議離婚は夫婦の合意のみで成立し、日本の離婚の約9割がこの方法です。離婚届に成年の証人2名の署名が必要ですが、届出自体は比較的シンプルで、届出にかかる費用は無料です。一方、調停離婚は家庭裁判所での調停を経て成立するもので、調停調書謄本の添付が必要となり、成立日から10日以内に届出しなければなりません(届出の証人は不要です)。調停離婚の場合、家庭裁判所への申立て手数料として収入印紙1,200円分と連絡用の郵便切手が必要となり、弁護士に依頼する場合は別途着手金・報酬金がかかるため、協議離婚に比べて費用面の負担が大きくなります。なお、令和6年3月1日の戸籍法改正により、離婚届出時の戸籍謄本の添付は原則不要となりました。
年金分割の手続きには「合意分割」と「3号分割」の2種類があります。合意分割は夫婦間で按分割合を合意した上で年金事務所に請求するもので、合意が得られない場合は家庭裁判所に按分割合を定める調停・審判を申し立てることができます。3号分割は、2008年4月以降の第3号被保険者期間について、相手方の合意なしに2分の1に分割できる制度です。いずれの場合も離婚後2年以内に年金事務所で手続きが必要です。
健康保険の切替については、配偶者の社会保険の扶養に入っていた方は離婚によって資格を喪失するため、14日以内に市区町村役場で国民健康保険への加入手続きを行うか、ご自身の勤務先の社会保険に加入する必要があります。この14日の期限を過ぎると、届出日までの医療費が全額自己負担になる場合があるため、離婚届提出後すみやかに手続きを進めることが重要です。
養育費・財産分与・年金分割などの取り決めは、口約束だけでは後々トラブルになる可能性があります。公正証書の作成や、法的に不明な点は弁護士などの専門家への相談をおすすめします。List Withでチェックリストを作成すれば、やるべき手続きを整理して、完了した項目から順にチェックしていくことで、漏れなく手続きを進められます。
離婚の種類を選んで必要な手続きを確認
離婚届や調停調書謄本など、役場への届出時に提出が必要な書類
離婚届(届書)
1
市区町村役場の窓口で入手、または法務省サイトからダウンロード可能
届出窓口での本人確認に使用する運転免許証・マイナンバーカード等の身分証明書
本人確認書類 — 運転免許証・マイナンバーカード等
1
届出窓口での本人確認に必要
協議離婚で必要となる成年の証人2名の手配・署名に関する準備事項
証人2名の署名を届書に記入してもらう
1
協議離婚では成年(18歳以上)の証人2名の署名が必要。親族でなくても可
証人への事前依頼(氏名・住所・本籍・生年月日の記入が必要)
1
証人には届書への記入と署名をお願いする必要があるため、事前に依頼しておく
届出前に決めておくべき親権者の指定、届出先の選定、離婚条件の書面化、専門家への相談など
未成年の子がいる場合、親権者を決める
1
未成年の子がいる場合は離婚届に親権者の記載が必要。未記入の場合は届出が受理されない
届出先の市区町村役場を決める
1
届出人の本籍地・住所地・所在地のいずれかの市区町村役場に届出可能
離婚後の本籍地を確認する
1
婚姻前の氏に戻る場合、元の戸籍に戻るか新しい戸籍を作るかを選択する
離婚条件の取り決め内容を書面にまとめる
1
養育費・財産分与・慰謝料・面会交流などの条件を口約束でなく書面に残すことが重要
離婚協議書の公正証書作成を検討する
1
公正証書にしておくと、養育費の不払い時に強制執行が可能になる場合がある。公証役場で作成
弁護士など専門家への相談を検討する
1
財産分与・養育費・年金分割など法的に複雑な事項は専門家に相談すると安心。法テラスの無料相談も利用可能
離婚届提出後に必要となる氏(姓)の変更届や子どもの戸籍移動に関する手続き
氏(姓)の変更について届出する
1
婚姻時に氏を変更した方は原則として旧姓に戻る。婚姻中の氏を引き続き使用する場合は「離婚の際に称していた氏を称する届」を離婚日から3か月以内に届出
子の戸籍を変更する場合は家庭裁判所に申立てる
1
親権者を定めただけでは子の戸籍(氏)は変わらない。子の氏の変更許可を家庭裁判所に申立て、許可後に「入籍届」を役場に提出する
健康保険の資格喪失・国保加入、年金分割請求、国民年金の種別変更など社会保障関連の手続き
年金分割の手続きをする
1
婚姻期間中の厚生年金を分割できる制度。年金事務所で「標準報酬改定請求書」を提出。離婚後2年以内に請求が必要
「年金分割のための情報通知書」を取得する
1
年金分割の手続きに先立ち、年金事務所に「年金分割のための情報提供請求書」を提出して取得する
健康保険の切替手続きをする
1
配偶者の社会保険の扶養だった場合、資格喪失証明書を取得し国民健康保険に加入するか、自分の勤務先の社会保険に加入する。14日以内に手続きが必要
資格喪失証明書を取得する(扶養から外れる場合)
1
元配偶者の勤務先から健康保険の資格喪失証明書をもらい、国民健康保険の加入手続きに使用する
国民年金の届出をする(第3号→第1号への変更)
1
配偶者の扶養(第3号被保険者)だった場合、離婚後は第1号被保険者への種別変更届が必要。市区町村役場で手続き
転居に伴う住所変更届やマイナンバーカードの記載事項変更など住まい・生活基盤の手続き
住所変更届(転入届・転居届)を提出する
1
離婚届だけでは住所変更されない。転居する場合は別途、転出届・転入届の手続きが必要
マイナンバーカードの氏名・住所変更
1
氏名や住所が変わった場合、市区町村役場でマイナンバーカードの券面記載事項を変更する
児童扶養手当の申請、児童手当の受給者変更、子どもの保険切替・学校届出・養育費の取り決めなど
児童扶養手当の申請をする
1
ひとり親家庭の場合、市区町村役場で児童扶養手当の申請が可能。所得制限あり
児童手当の受給者変更手続きをする
1
子と同居する親が受給者になるよう変更届を市区町村役場に提出する
子どもの健康保険の切替をする
1
子どもが元配偶者の扶養に入っていた場合、自分の保険に入れるには資格喪失証明書の取得が必要
子どもの学校・保育園に届出する
1
氏名変更や住所変更がある場合は学校・保育園に届出が必要。転校が伴う場合は転校手続きも行う
養育費の取り決めを書面で確認する
1
養育費の金額・支払期間・支払方法を書面で明確にしておく。公正証書にすると不払い時の対応がしやすい
銀行口座・運転免許証・パスポート・クレジットカード・公共料金など各種契約の氏名変更手続き
銀行口座の氏名変更
1
氏が変わった場合、各金融機関で氏名変更の届出が必要
運転免許証の氏名・住所変更
1
警察署または運転免許センターで変更手続き。住民票が必要
パスポートの氏名変更(必要な場合)
1
氏名変更後は記載事項変更または新規申請が必要。海外渡航の予定がある場合は早めに手続き
クレジットカード・各種契約の名義変更
1
クレジットカード・携帯電話・生命保険・自動車保険など、各種契約の氏名変更を届出
公共料金(電気・ガス・水道)の名義変更
1
世帯主や契約者が変わる場合は各事業者に名義変更を届出する
協議離婚・調停離婚から該当するパターンを選びます
選んだパターンに合わせた必要書類リストを確認します
保険・年金・住所変更など届出後にやるべきことを把握します
完了した手続きからチェックを入れて、漏れなく進めましょう
協議離婚は夫婦の合意のみで成立する離婚で、日本の離婚の約9割を占めます。離婚届に成年の証人2名の署名が必要です。調停離婚は、話し合いがまとまらない場合に家庭裁判所の調停手続きを経て成立する離婚で、調停調書謄本の添付が必要ですが、証人は不要です。調停では離婚そのものだけでなく、養育費・財産分与・年金分割なども一緒に話し合うことができます。
戸籍法の改正により、離婚届出時の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)の添付は原則不要となりました。ただし、届出先の自治体によって取り扱いが異なる場合がありますので、最新の必要書類は事前に届出先の役場にご確認ください。
離婚届の届出自体は無料です。ただし、調停離婚の場合は家庭裁判所への申立て手数料として収入印紙1,200円分と連絡用の郵便切手が必要です。弁護士に依頼する場合は着手金・報酬金が別途かかります。また、離婚協議書を公正証書にする場合は公証役場での手数料(目的の価額に応じて数万円程度)が発生します。費用面が心配な方は、法テラスの無料法律相談を利用することも検討してください。
年金分割の請求は、原則として離婚した日の翌日から2年以内に行う必要があります。年金事務所に「年金分割のための情報提供請求書」を提出して情報通知書を取得した上で、「標準報酬改定請求書」を提出します。分割の割合が決まっていても、請求手続きをしないと年金は分割されませんのでご注意ください。
配偶者の社会保険の扶養に入っていた場合、離婚により資格を喪失します。元配偶者の勤務先から資格喪失証明書を取得し、14日以内に国民健康保険への加入手続きを市区町村役場で行うか、ご自身の勤務先の社会保険に加入する手続きを行います。手続きが遅れると、その間の医療費が全額自己負担になる場合がありますので、早めに手続きしましょう。
親権者を定めただけでは、子どもの戸籍や氏は自動的には変わりません。子どもの氏を変更して親権者の戸籍に移す場合は、まず家庭裁判所に「子の氏の変更許可」を申し立てます。申立てには収入印紙800円分と連絡用の郵便切手が必要です。許可審判が確定した後、市区町村役場で「入籍届」を提出することで、子どもの戸籍と氏が変更されます。なお、子どもが15歳以上の場合は子ども本人が申立人となります。
児童扶養手当はお住まいの市区町村役場で申請できます。ひとり親家庭の生活の安定と自立を支援するための手当で、所得に応じて支給額が決まります。申請には離婚届受理証明書や戸籍謄本などが必要となる場合がありますので、詳しくは窓口にお問い合わせください。
離婚の種類を切り替えるだけで、必要な書類と手続きが自動で表示されます。協議離婚では証人2名の手配、調停離婚では調停調書謄本の準備など、パターンに合わせたリストが確認できます。
離婚届の提出だけでなく、年金分割・健康保険切替・住所変更・児童扶養手当の申請・各種名義変更まで、届出後にやるべき手続きもすべてチェックリストに含まれています。
年金分割は離婚後2年以内、健康保険の切替は14日以内、氏の継続使用届は3か月以内など、期限が設定された手続きをリストで管理して、漏れなく期限内に対応できます。